Stego WatchTM による 埋込検出テストの結果と評価
KIT ステガノグラフィ研究グループ
16種のテスト画像に対する Stego WatchTM のよる判定結果は次の表のようになりました。判定記号 ○、△、× の意味は次の通りです。
○ | データが埋め込まれている確率が高い |
△ | データが埋め込まれている可能性がある |
× | データは埋込まれていない |
テスト画像 | 判 定 |
判定結果 の評価値 |
sample-x1 | ○ | -2 |
sample-x2 | △ | +1 |
sample-x3 | × | +2 |
sample-x4 | × | +2 |
sample-y1 | ○ | -2 |
sample-y2 | ○ | +2 |
sample-y3 | × | -2 |
sample-y4 | × | +2 |
sample-z1 | × | -2 |
sample-z2 | × | +2 |
sample-z3 | ○ | -2 |
sample-z4 | × | +2 |
sample-z5 | △ | +1 |
sample-z6 | △ | -1 |
sample-7 | ○ | -2 |
sample-8 | × | -2 |
判定結果の評価値の合計 |
-1 |
赤字のファイルだけがステガノグラフィ画像 (ステゴ画像)
なお、この表の判定結果の評価値は以下のチャートに従って決めています。
この評価法での「判定結果の評価値の合計」の最大値(すなわち判定結果が全て正しかった場合)は +32 であり、最小値(判定結果がすべて間違っていたとき)は −32 となります。
本実験において、その値が −1 であったということは、Qtech Hide & View の埋込みに対しては、この Stego WatchTM による判定は全く信頼できないという結論になります。言い換えれば、このソフトは Qtech Hide & View の埋込み方法には対応していないと思われ、このことからも 「埋込方法が不明な場合の steganalysis はお手上げだ」と言えるようです。
なお、この埋込実験で、BPCS方式での埋込み対象は、bmp と png 形式の画像8種類(sample-y1 - sample-y4, sample-z1 - sample-z4)ですが、この部分だけの判定評価値の累計は 0 となります。このことは、 Stego WatchTM はBPCS-Steganographyには対応できていないことを示しています。
Steganalysis に興味を持ち、自ら 「ステガノグラフィ検出ソフト」を開発しておられる方もいらっしゃると思いますが、どのような検出ソフトにせよ、ここに掲載しております16種の実験画像を分析していただき、その結果をお知らせいただければ幸いです。その際は、専用ページからのフォームメールを使ってご連絡下さい。
更に、別のページには特別な手順で埋込んだ画像ファイルを示しています。このような画像を分析してしていただくのも非常に興味のあることですので、ステガナリシスのプログラムをお持ちの方は是非分析して頂きたいと思います。
(最終更新日: 2014, 03, 10 河口英二)